粘土でサーバルキャットを作る【第1話】
みなさんげんきですか?シベリアおねえさんです。
初心者が造形作品を作るということについて、はからずも沢山の方に閲覧いただけた過去の記事がこちら。
今回はこの記事を作るきっかけとなってくれた、「捨ててしまったヤツの材料の残り」を
捨ててしまわずに、さらには誰にもアドバイスを受けずに作品にしてこの世に送り出してやる。
その過程を書こうと思います。
「捨ててしまったヤツの材料の残り」とはこちら。
「フィギュア作りたいんですけど」とイエローサブマリンのお兄さんにイノセントな瞳で相談し、案内されるまま「やっす」と思って買ったものです。
これをどんなふうに使うのかな?
どんなイカれたメンバーが生まれるのかな?
それじゃあみんな一緒に、たのしいきびしい工作の世界へ、レッツGO!
〜もくじ〜
なにを作るの?
さあ、今日は何を作るのかな?一人で考えるよ。
おねえさんには一緒に作るおともだちはいないのかって?そう!今回はおともだちも先生もいない、いわば自分との闘いだよ。そういう企画なんだ。
おねえさんに応援のメッセージを!
この口調疲れました。さて何を作るかというと、やっぱり見たみんなが楽しめるものがいいです。
前回は綾波レイ、つまり美少女フィギュアを目指しましたが、今回はハードルを下げて動物はどうでしょうか。
動物×みんなが楽しめるといえば、一つのタイトルが浮かび上がってきます。
あのアニメ、『けものフレンズ』。
私も1話見ました。大変に面白かったです。しかしまだ1話までしか見ていません。
できればあの魅力的なキャラクターをそっくり作りたいですが、よく知らないのに流行ってるからといって中途半端なものは作りたくない…そうだ!
元ネタを作るのはどうか。
つまりモデルになった動物をそのままの姿で作るということです。
主要キャラの「サーバルちゃん」のモデル、サーバルキャットを作ろう!
猫なら何度も飼いましたし、漫画もいっぱい持ってます。他の動物よりは作りやすいでしょう。
さっそく、イメージを絵に起こしていきます。
絵にしてみよう!
立体のモデルにすべく、具体的に絵を描いてイメージを固めます。
いらすとやさんが大変可愛らしいサーバルキャットを公開しているのを発見。
ぬいぐるみでこんなのあったら大好評でしょう。シンプルなフォルムは造形初心者に向いていそうです。参考にさせていただきます。
少しマスコットっぽく、かつもう少しリアルになるように、写真を検索しながら描き起こします。おねえさん絵は得意。
何これ?
リアルとファンシーをいいとこ取りしようとしすぎてよく知らない生き物になってしまいました。実在すんのか?こんなの。
しかしなまじ頑張って描いてしまっただけに描き直す気も起きません。かわいいと言えなくもない。作ってるうちに良くなるかもしれないし。
強制的にこれをモデルにしていきます。
つくって、見て、つくって
さあ粘土の登場です。雪原のようだ。
全てのパーツを一つの塊から作るのは難しそうなので、頭・足・しっぽを竹串でつないで作っていくことにします。
モチッ
竹串はスーパーに売ってる料理用のやつをニッパーで切りました。
画像を元に形を作っていきます。
………。
ちょっとやばい。UMAにこういうのいるだろ。
写真を見直して少し肉付けしていきます。しかし写真ではポーズが様々すぎて限界がある…。いや、ちょっと待てよ?
こんな本持ってた。
図鑑好きの私は、様々な動物の骨格標本写真や骨にまつわる話で丸ごと一冊作られたおもしろ本を所持していたのです。猫の骨格は…載っている!猫の構造が丸見えだ。
そうか!四足歩行動物は肩が首の後ろにある。そこから腕の骨が生えていて、あばらの膨らみや脚の曲がり方は…
サーバルキャットなので若干やせすぎくらいで。
少しマシになったかな。なったよ。
しかしここで新たな問題が…。
立たない!
EDではありません。形ができたはいいけど直立してくれないのです。左右にドッタンバッタン倒れて大騒ぎ。なるべく立ちやすいように今回のポーズにしたのですが…(だったら座ってるのを作れば、と後で思いました)
なんか土台として芯にできるものがあればいいのか?
そう考えたとき、2度目の「ちょっと待てよ?」が浮かびました。
おひさしぶりです。
前述の記事で「使わないほうがいい(初心者なので)」と言われてお蔵入りしたあいつです。
人型フィギュアのフレームならば、足は立つように成型されているのでは…?
それっぽい
「足っぽい」のを探して切り取ってみました。どっちか片方は多分足じゃないと思います。大きさはちょうどよさそうです。足首からつま先をブチっともぎ取って、これを埋め込みます。
あ!
うわーーー立った!立ったよ!何かが…(サーバルキャットです。)
頭が重そうですが、実験的にサーバルキャットの特徴である大きな耳も付けてみましょう。
獣(けもの)って感じだ
うーーーん!それっぽいようなそれっぽくないような!けど、自立できるしなんというか「雰囲気」というやつが出てきた気がする。しかし何かがおかしい…何だか…ハイエナっぽくないですか?
ハイエナを作りたいわけではないので改めて参考資料を探します。動画も投稿されていたので癒しもかねて見てみました。
かわいい〜。猫の動きはいつ見ても独特ですね。
しばらく見ていて気づいたのがこの瞬間です。
3分29秒のこのポーズ。お分かりいただけたでしょうか、そう…
首の伸びている方向が違う。前進する時の首は背骨と水平になっていますが、立ち止まっている時の首は前足のラインと水平になっています。
つまり、作品は体が立ち止まっているのに、首だけが歩く時の角度で作ってしまっているのです。立ち止まっているのに首を前に出すのは、獲物など気になるものを注視している瞬間でしょう。
何かを付け狙うかのような、まさにハイエナの姿勢はこれが原因だったようです。
じゃ、直します。
破壊と創造
破壊なくして創造はあり得ないという。新たなものを生み出すには躊躇などしていられないのです。
容赦なく首根っこを丸ごと引きちぎり、先ほど判明した「立ち止まっている時の首」の位置へ竹串で連結すると…
あっ…!!
なった!なりました!サーバルかはわからないけど…キャットにはなりました!
新たな命が今ここに。しかとその瞬間を見届けてください。
生乾きの体を乾かして、猫なのにセミのごとく新たなステージへ羽ばたくため、今日はここで作業を終えることにしましょう。(疲れたんで一旦粘土干しますということです。)
わかったこと
まとめます。
- 頭の中のイメージは思っているより充分ではない!少しでもおかしいと思ったら見本を観察だ。
- 健やかな肉体は骨から。どんな骨がどこに付いているの?理解してから肉を付けよう。
- 生き物はその名のとおり生きている。作りたいポーズでない時の姿勢もチェックして、作りたいのはどんな時のしぐさなのか比較して見出そう。動画は強力な資料かも。
- 頑張りすぎて自分の気持ちをのけものにしないこと。いつ飽きてもいい。ノリノリで作ろう!
あくまで今回の作例での学びなので、他の作品に応用できる発見かは分かりませんがこんなところでしょうか。思っていたより私は猫のことを知らなかった。それが最大のわかったことです。
もっと好きなものや人のことを知りたい、そんなあなたは造形をやってみましょう。
次回予告
グダグダでありつつも割と結果オーライ的に製作は進んでいます。
しかしキャットにはなっていつつもまだサーバルキャットとは言えない状態です。
次回は、「キャットからサーバルキャットに」なるべく、完成イメージの練り直しから始めていこう思います。
情熱とチャレンジ精神旺盛だった今回の展開にそえてB’zの『ultra soul』をエンディングテーマっぽく貼り付けてみます。
完成品にもソウルがこもっていてほしいです。
それではまた次回!